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応援団による「せどり男爵数奇譚」の紹介です

梶山季之『せどり男爵数奇譚』(2000 ちくま文庫)

前回紹介した「ビブリア古書堂の事件手帖」は「曽田文庫」の新刊コーナーに置いてありますが、どうも読まれている気配がありません.
わたしの紹介文の拙さもありますが、あるいはこの「文庫本」の「少女漫画(?)」風装幀に原因があるのかもしれません.
わたしも読み始めるのには相当の抵抗がありました.
例えは悪いですが、まるで赤ん坊の「お椀」で「二級の赤ワイン」を飲むような気分と言えばお分りいただけるでしょうか.
いえ、二級小説は悪くありません、B級映画が面白いのと同じで美味しいです.

 前置きが長くなりましたが、この本の「繋がり」から関心を持ったのが今回紹介する一冊です.
 今から約40年前に夭折した梶山季之の名を知っている人はさほど多くないかもしれません.
かくいう私も松本清張と並ぶ社会派作家、の程度しか知らない存在であり,「ビブリア・・・」を読まなければ、また「背取り」に興味を持たなければ決して出会うことのなかった作品です.

 「ビブリア・・・」と比較すると、本書は大人のしかも一級の小説です.
松岡正剛「千夜千冊」では「微妙な人間関係と功利関係と愛欲関係が描かていれる」とあります.
梶山氏本人と思われる人物が「古書の専門家」から聞き出した話と言う手法といい、本書で古本マニアたちが争う古本も「ビブリア・・・」よりもさらに時代をさかのぼったものが登場します.
和綴本『京すずめ』、光悦『謡曲百番』、発禁後は十部しか現存していないはずの荷風『ふらんす物語』やルーズベルト大統領の3冊の蔵書、シェイクスピアのフォリオなど洋書と「よりマニアック」だからでしょう.

 まあ驚くのは出版社の商魂逞しさです、本書の帯に「ビブリア古書堂の事件手帖」に登場、と詠っています.

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