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応援団part2 「レオナルドのユダ」

連休でお疲れのときにこそ.寝る前に読む本に如何がでしょうか.

10年ほど前に出版されたもので、古本市で「背取り」で稼ぐ狙いでなくタイトルに魅かれ購入したものです.

服部まゆみ「レオナルドのユダ」(角川書店、2003)
 
レオナルドはもちろんレオナルド・ダ・ヴィンチと分るのですが、ユダとなるとキリストを裏切った弟子(?)とされる人物ですね.
かくいう私もよく知らないのですが、ミラノでもっとも見物の多いとされるサンタ・マリア・グラーツィエ教会にあるレオナルドの作品「最後の晩餐」に描かれる男であり、そういう解釈がされているようです.
とすればタイトルの意味は「レオナルドを裏切るユダのような男」であり、その人物とは誰だろうか、そういう謎めいたことが本書を読もうとしたきっかけです.

 イタリアのというより世界の芸術史上最も偉大なレオナルドを裏切った人物の存在など、考えもしなかった、しかし魅惑のルネサンス期イタリアを描いた歴史ミステリーです.

こうくれば本書を読みたい人は限られるかもしれないでしょうが、同時代のミケランジェロやラファエッロといった実在の芸術家を絡ませた人間模様には興味をそそられます.

レオナルドとミケランジェロの仲が悪かったのは、それはミケランジェロの一方的な思いであるとか、レオナルドより20歳年下の画家ラファエッロは彼を非常に尊敬していた心優しき青年として描かれています.

歴史小説は史実と「こう言うこともあって良いのではないかという」フィクションを交錯することによって、レオナルドが当時でも人間的に最高な存在であったんだなあ、とうかがわせます.
それなのに彼レオナルドには愛する男性がいたのでは?の疑いからスキャンダルを探して、なんとか陥れようとする人間が出てきます.
それがユダのような存在ということになります.
こういう男が実在していたかどうかを読み解くのが本書の妙味でしょうし、物語の後半にある「モナ・リザ」をめぐる展開などに歴史小説の面白さを感じます.

 先日本書を読み終えたものの、3ヶ月いやそれ以上掛かったように思います.
登場人物に思いを馳せたり,ルネサンスにタイムスリップすることから、「寝る前に布団に入って読む」のにちょうど良かったからです.
いえいえ、こう言う本こそ「寝る前に読む」のに適した本といえます.
これが「本格派」ミステリーではトイレに行けなくなるとか、「恋愛小説」では胸がときめいて、眠られなくなることもあり得ますからね.

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